いつ野球見るの?今でしょ?!

主にセリーグを中心とした、プロ野球観戦日誌です。メジャーもあるよ。

2013年日本シリーズ、第6戦。ついに田中将大投手がQS達成できず負けがつく

永遠に勝ち続けることは出来ないだろうからいつかは・・・というのがありましたが、それが今日だったとは。なんとも辛い敗戦となりましたが、楽天は今こそ大黒柱への恩返しという意味で、チーム力で日本一になって、若き大エースの田中将大投手に報いて欲しい所です。

ついに攻略された不沈艦、スプリット

今日の田中投手は、初回から代名詞のスプリットを多投していました。指で挟むボールは握力が必要になるので、そんなに多投することは出来ないボールです。今までは序盤はストレートを中心に、中盤で要所でスプリットを交えて打ち取る投球が目立ちました。今日は序盤からスプリットをかなり使っていました。

田中投手のスプリットは確かに途中まで真っ直ぐとほとんど同じ軌道からベースの手前でスコンと落ちるのでフォークではなくスプリットという表現をしてますが、かなりの落差があります。あれをストライクゾーンからボールになる所に、140キロ台前半で放られたらヒットを放つのは完全に無理ゲーです。

今夜は初回の第1打席の長野から使ってました、序盤から多投したことが影響があったようで、ロペス選手に投げたスプリットが完全に高めに浮いてしまい半速球になってしまいました。それがこの2ランです。

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ロペス選手は真っ直ぐに空振りすることがほとんどないバッターで、バットコントロールに優れています。田中と嶋のバッテリーも外の真っ直ぐでカウントを稼いで最後はインサイドに行こうという配球だったようですが、段々と田中投手の真っ直ぐが浮き始めます。指にしっかりかからなくなってしまいました。

エースキラー寺内の絶妙なスプリット殺し

この試合の影のヒーローとも言えるのが、寺内です。完全にポストシーズンゲームで持ってる男になりました。おっそろしい。

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かなりの落差があった3球目のスプリットをライト前に運びました。今まで、誰も出来なかった膝下のスプリットをおっつけてのクリーンヒットです。これで、楽天バッテリーがスプリットを使えなくなってしまいました。カウントを稼ぐには使えても、連打されたことで勝負球に使うには難しくなりました。もう1回スプリット行ったらええ・・・とはならない。万が一すっぽ抜けたら長打されてしまいます。スプリットはストレートの残像があってこそのボールです。上原と一緒。

重圧に負けてしまった嶋のボーンヘッド

この試合最大のミスが、高橋由伸に対する嶋の第3球のインサイドのフォーシームの要求です。これは配球ミスです。

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寺内にスプリットを打たれ、長野にはストレートを打たれ、亀井には決めきれずスプリットが初回とはキレが全然ない状況で、迎えた高橋由伸との勝負。最大のピンチを迎えました。

初球はインサイド低めの真っ直ぐ。狙っても打てないボールで打ち上げてファウル。2球目の真っ直ぐ。初球よりも球威がなく甘かったんですが見逃し。変化球系が頭にあったようで、全く手が出ませんでした。スプリットをケアしていたんでしょう。

ただ・・・3球目のインサイドの真っ直ぐは理解できません。田中の真っ直ぐもスプリット多投の影響が少なからずあって上ずっています。2球目の真っすぐは伸びがあんまりありませんでした。外のツーシームかスプリット、インサイドのスライダーで勝負して欲しい局面です。今日の由伸は真っ直ぐ系にタイミングあってましたよね? 2球目がストライクを取れたことで、焦ってしまったんでしょう。

一球真っ直ぐを見せてツーシームかスプリット、意表をついてインスラで勝負して欲しかったです。シュート回転した真っ直ぐがど真ん中に来ました。おあつらえ向きのセンター前で、ほぼ終戦です。

この試合だけを見れば田中投手攻略は真っすぐを粘って球数を投げさせてスプリットを多投させ、スプリットの球威が甘くなった所を狙うということになるんでしょう。普通はスプリット来る前に打つしか無いってなりますから、早打ちになります。逆転の発想というには乱暴かな。でも、スプリットを殺す為にスプリットを打つか真っ直ぐ系、特にインサイドを捕らえるかのどっちかしかないのではないか、と感じました。

第7戦に向けて

総力戦となれば楽天がちょいと不利です。杉内は第3戦で2回でKOされていますが、必ず立て直して試合は作ります。接戦になるのは間違いないでしょう。

巨人サイドは楽天の1〜3番の左三枚をどう攻略して打ち取るのか。楽天サイドはついに当たりの出始めた坂本・ロペス、そして寺内を打ち取ることが鍵になります。阿部はこのシリーズで一本もライトに痛烈な打球が出ていません。インサイドのボールを引っ張ろうという意識がめっちゃ強く、差し込まれては打ち上げてを繰り返していますので、多分ムリ。怖いのは坂本とロペスです。

久しぶりの第7戦、楽しみにしております!