いつ野球見るの?今でしょ?!

主にセリーグを中心とした、プロ野球観戦日誌です。メジャーもあるよ。

高野連のカット打法禁止の判断は、残念ながら当然だと思う。

2013年夏の甲子園で問題になったカット打法について、今更ながら考える。

高野連の主張

夏の甲子園花巻東・千葉翔太外野手(3年)の“カット打法”が審判団から注意されたことを受け、岩手県高野連と同野球協会審判技術委員会は12日、2ストライクに追い込まれてから打者が明らかにファウルを狙った打撃をした場合は、スリーバント失敗でアウトとする、と確認した。

「バントの定義」は高校野球特別規則に明記されており、各校にあらためて通達することはしないという。

カット打法確認 明らかファウル狙いダメ - 高校野球ニュース : nikkansports.com

バントの定義については以下のようになっている。

高校野球特別規則17・バントの定義 

バントとは、バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルにするような、いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある。

“カット打法”バントの判断も/メモ - 高校野球ニュース : nikkansports.com

高野連の主張は単純で「千葉君の打法は明らかにファウルを意図した打法になっており、投手からフォアボールを引き出すためにひたすらバントで逃げ続けるのと等価であるので、認めることは出来ない」というもの。何故、スリーバント失敗はアウトになっているのか。こういうことなんですね。

千葉君は「三振を避けるために臭いボールをカットしていく」という意図が強くあるものの、出塁の意思が無い意識的なファウルを狙い続けていると高野連が断罪している所に強い反発があるようだ。バントで逃げるのと等価だという主張は少し乱暴だと思っていたけど、以下の動画を見る限りそのように解釈されてしまう要素は複数見受けられた。

  1. ストライクを捉えようという意識はなく、ひたすら揺さぶりに終始している。
  2. 2ストライク後にバットの持ち方やタイミングの取り方が変化している。
  3. 2球目の投球時に思いっきり足を上げてベースにかぶせている。

上記の動画のようなプレイが恒常的に行われているのであれば、高野連の判断は妥当だ。体格に劣る非力な高校生が生きていくための努力を無下にするとは何事だと高野連を批判する方は多いが、全国高等学校野球選手権大会は四球量産機としての研鑽努力を披露する場ではありません。

高野連の決定こそ凝り固まった固定観念であるとか客観的にファウル狙いだとどう判断できるんだ透明性が無いじゃないかと、野球の見識がない方ほどそういった主張を振りかざす。素人が決定できるレベルの問題じゃない。バッターは自分のタイミングでボールを捉えなければバッティングになりません。

野球はファウルを打つ技術を競うスポーツではない。カッティングの技術は高いことは間違いないし、その技術を得るための研鑽努力は称賛に値するが、ピッチャーとの勝負の一環として利用されなければ「打つ意思が見られない。打者の本分から外れている」と指摘されて然るべき。ひたすらファウルを狙うのがどこが悪いというのであれば、ひたすらバントで四球出塁を狙うのも是になりますし、極論すれば9人の打者が全員同じことやってもOKになります。野球じゃないでしょ、これ。

カット打法でカットされる投手サイドに問題があるというのは、プロだったらそれも通るでしょう。でも、技術の未熟な高校生に打つ意思のないバッターを打ち取れないのは自分が悪いっていう理屈のほうが、僕は乱暴だと思う。カット打法をファイル狙いと断罪するよりも。

高野連のタイミングが悪かった(準決勝でいきなり禁止にしたので)のは事実だからそこは批判されてもしょうがないっすね・・・。今までOKだったのものが同一大会でNGになったら、そりゃ納得がいかない。その点は大いに反省して頂いて、地区予選の段階から審判団に周知徹底をお願いします。