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西武ライオンズのお家芸、秋口からの逆襲の獅子モードで2位浮上へ

9月下旬のアウェイのソフトバンクホークス戦にサヨナラ負けして2ゲーム差。終戦かと思いきや、涌井を後ろに持ってきてからの7連勝で一気に大外から捲り、クライマックスシリーズの出場権をゲットしました。この剛脚は見事です。むしろ、あのサヨナラ負けの敗戦で火がついたという見方も出来ます。

躍進の理由は終盤の僅差のリードを守りきって、接戦をものにしていているからです。片岡が非常に素晴らしい働きをして打撃陣に良い影響を与えているのと、昨年同様に涌井の守護神がハマっています。あの敗戦以来、西武は惜しみなく投手陣をつぎ込んでおり、エース(?)の涌井に至っては10連投で6連続セーブです。

ここ最近の西武の中継ぎは、ルーキーの高橋投手、サファテ投手、涌井投手が魔が潜む7〜9回を力で封じ込めるスタイルに変わりました。元々豪腕タイプのサファテは置いといても、9回に登板する涌井への投球の組み立てが「真っ直ぐを主体に、力で抑える」ことを主眼においている。1球速報のキャプチャ忘れていたので昨日分しか確認できないのですが、僕がニコ生の楽天戦等を見る限り、150kmの真っ直ぐを連発してました。すごいキレキレのボール投げてました。

これは昨日の日ハム戦での涌井の投球内容です。特に陽岱鋼の配球に注目して下さい。

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9回裏2死2塁で、1点差。ホームランでサヨナラ負けのこの状況で、長打力もある陽岱鋼への初球がインハイのシュート。初球からガンガン振ってくるタイプにはやり過ぎ感すら感じる組み立てですが、ファウルを打つのが精一杯でボールが前に飛ばなかった。

ストレート系で前に飛ばない場合は、変に変化球でかわそうとするとあまり良いことがない。タイミングがあってヒットになったり、ボテボテだけど微妙に内野の間を超える・・なんてのが一番イヤ。それを嫌ってか、銀仁朗も執拗にインサイドのシュートを要求。最後はキレッキレの外の真っ直ぐに陽岱鋼も手が出なかった。一撃必殺、後悔は残さない。「仁王立ち」という表現がピッタリの、昨日の涌井の登板でした。左手の巻き取りが躍動感あっていいですね。あれが涌井のバロメーターなのかな。

ただ、こういう投球ができるのも「この回を抑えれば」「あと1人を討ち取れば」という状況だから100%の力でボールを投げることが出来ます。これを先発でやったら5回持つか・・という内容です。テンションを上げ続けて投げることは出来ませんし、相手も打つことが選択肢に入らずに球数を投げさせるとか、揺さぶるとか、色んなことを仕掛けてきます。それを置いといても、涌井の能力の高さは折り紙つきです。

渡辺監督は勝負勘にとても優れているようで、「負けたら終わり」という状況では無類の強さを発揮します。根っからの勝負師なんでしょうか。追う立場の西武は怖いですよ。もう終わったなという状況から不死鳥のようにAクラスに滑りこむ、出遅れたディープインパクトのような大外一気の剛脚は、頭を走る楽天すら差しきってしまうのでしょうか? 楽しみにしたいと思います。