いつ野球見るの?今でしょ?!

主にセリーグを中心とした、プロ野球観戦日誌です。メジャーもあるよ。

【書評】アホがプロ野球を滅ぼす

最後のまとめだけ読めばいい感じの構成になっている。

「アホ」がプロ野球を滅ぼす (ロング新書)

「アホ」がプロ野球を滅ぼす (ロング新書)

えもやんのあげるプロ野球の構造的問題をあげると、大きく3つ。

プロ野球球団の独立性がない

プロ野球の球団はカープを除くと全部企業の子会社という位置づけになっており、一企業の資本力には限界がある。球団経営には多額の資本が必要のため赤字になってしまうことも避けられないが、球団の赤字は広告宣伝費として計上すれば課税対象ではなくなるシステムが有るので、赤字になっても補填すればいいじゃないぐらいの緩慢さが見受けられる。

また、プロ野球球団の組閣も素人が入り込んでやるもんだから、野球をわかっている人間がチーム作りを行うことが難しい。

プロ野球球団の独立性がないので、どうやってプロ野球をビジネスとして成り立たせていくのかという視点が乏しく親会社の都合に左右されてしまう。

コミッショナーに権限がない

プロ野球全体を考える視点に立つためには、12球団の各々のエゴを排した全体最適からの構造改革等を行っていく必要があるが、NPBのコミッショナーというのは置物同然で事務処理ぐらいしか出来ていない。実権はオーナー及び実行委員会が握っており、構造的問題の改革をやりたくても出来るわけがない構造になっている。

マイナーリーグの整備が出来ていない

12球団の1軍と2軍という構造だけで完結しまっており、サッカーでいうところのJ2やJFLに相当するシステムがなくプロ野球に入る垣根が高くなってしまう一方だし、プロやアマとの交流も出来なくなっている。

更に強引に1つにまとめると、各球団の経営者の都合ばかりに振り回されてしまい野球界の未来を考え実行できる組織体制になっていないという話です。これ自体は総論賛成、といったところ。

僕が一番気になっているのがマイナーリーグの整備。これはもっとやってほしい。BCリーグ四国アイランドリーグや2軍のリーグも含めた新しいプロ野球の組織体制を見たい。そうするためには、結局のところプロ野球球団の小会社体質から脱却できるようにするのが一番先になるのだけれども。

NPBはものすごい参入障壁が高い。その垣根を崩していきながら新しいモデルを作らないと、本当にメジャーリーグのアジア支部になっちゃうぜ。