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主にセリーグを中心とした、プロ野球観戦日誌です。メジャーもあるよ。

"石直球"の呉昇桓投手の胆力が実に素晴らしかった件

石直球ってなんやって思ったけど、コレは確かに前にボールが飛ばないという意味で石直球ですわ。今日の広島対阪神の試合で登板したオ・スンファン投手は凄いパフォーマンスを見せた。スタンリッジを放出せざるを得ない中での獲得という勝負に勝った、といえる内容でした。

10回2死満塁でエルドレッドの場面

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見ての通り全球ストレート勝負。エルドレッドが空振りしてたので、下手にスライダーを挟むより真っ直ぐで空振りを取るという戦略。それに4球目のストレートが球威とコース共に最高でした。球速以上に早く感じましたし、スピンがめっちゃ効いてる。バッターは相当速く感じると思います。

11回1死ランナー無しで3塁打を打たれた場面

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ボールが先行して田中選手も四球狙いで見に回ってフルカウントになってから、石直球の連投で三振を狙うもカットで粘る。ここで球速の遅いスライダーでも投げれば引っ掛ける確率は高かったけれど、投げた変化球が半速球となってしまい、タイミングがピシャリとあった。ボールの高さもベルト付近だったので長打になってしまった、と。

で、ここからがお見事ですよ。阪神バッテリーの守り。木村昇吾選手を歩かせて、1死1,3塁としました。打者は貧打の石原選手。

局面をもう1回おさらいしますと、こんな感じ。

  • 11回裏、1死1,3塁。3塁ランナー生還でサヨナラ。
  • ワイルドピッチやパスボールでも負けてしまう。
  • カープとしてはボールを前に転がせば最低限OKな局面。

で、カープがサヨナラ勝ちするためには、

  • ヒット
  • 犠牲フライ
  • 内野ゴロ生還
  • スクイズ
  • バッテリーエラー

この5つのオプションが取れます。ですが、前進守備を当然敷いてきますから、内野ゴロ生還はゴロゴーでも五分五分。バッテリーエラーに期待して采配を振ることはあり得ない。自由に打たせて外野にボールが飛ぶことを狙うか、スクイズで勝負に出るかの2択という所です。

阪神バッテリーとしては打者があんまりパワーのない石原選手なので、仮にスクイズされてもバントをしにくい高めの速い球で攻める局面です。ど真ん中行ったらそれはもうそれでしょうがない。

で、結果的にはこうなりました。

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インハイの真っ直ぐなら外野に飛ばされることもスクイズもやりにくいだろうということで、ひたすらそこを攻めた。下手に浮気して外のスライダーとか投げちゃうと1塁方向にバントされたらスクイズ決まっちゃうし、スライダーがワイルドピッチになったら死ぬほど後悔すると思う。

素晴らしいストレートを持っているしインサイドにもきっちり投げられる技術のあるオ・スンファン投手なら、追い込むまでインサイド勝負で大正解ではないでしょうか。

その後に阪神はサヨナラ負けしちゃったけれども、長年クローザーを務める投手の底力を魅せてもらいました。